UCIヨーロッパツアー ツール・ドゥ・ロワール=エ=シェール開幕
KINAN Cycling Teamは6人全員がメイン集団でフィニッシュ

12nd April 2017

●ツール・ドゥ・ロワール=エ=シェール(Tour du Loir-et-Cher) 第1ステージ ブロワ~モン=プレ=シャンボール 154.5km

美しいシャンボール城の前をプロトンが通過する
● KINAN Cycling Team 出場選手
山本元喜
椿大志
阿曽圭佑
中西健児
野中竜馬
雨乞竜己

スタート前のチームプレゼンテーション。左から椿、野中、雨乞、山本、阿曽、中西
UCI(国際自転車競技連合)コンチネンタルチーム、KINAN Cycling Teamは4月に入 り、フランスを拠点に活動中。4 月 12 日からはこの遠征の集大成でもある、UCI ヨーロ ッパツアー2.2クラスのツール・ドゥ・ロワール=エ=シェール(Tour du Loir-et-Cher) に参戦。第 1 ステージは出場 6 人全員がメイン集団でフィニッシュ。次のステージへとつなげている。
今年は 2 月の本格シーズンインから好調の KINAN Cycling Team。UCI アジアツアー や国内リーグの J プロツアーで好成績を残してきているが、4 月に入り 2 班に分かれての 活動にシフト。まずは UCI ヨーロッパツアーに出場するグループがフランスをベースに 始動。メンバーには、山本元喜、椿大志、阿曽圭佑、中西健児、野中竜馬、雨乞竜己の 6 人がセレクトされ、加藤康則ゼネラルマネージャーが指揮を執る。
4 月 6 日にフランス入りし、中央部の都市・ブロワに滞在。ロワール=エ=シェール県 の県庁所在地であり、街を流れるロワール川はヨーロッパ最後の清流とも呼ばれる。また、 同県には中世の古城が多数残され、ブロワ中心部にあるブロワ城は増改築の繰り返しによ って、フランスの建築史を一望できるともいわれている。
そして迎えたツール・ドゥ・ロワール=エ=シェール。UCI2.2 クラスながら、例年ハイレベルのレースが繰り広げられ、過去の総合優勝者にはノルウェーの英雄、トル・フスホ フトの名も。悪天候や強風、荒れた路面での戦いを制した選手は、将来的にプロでの活躍 も約束されるとの呼び声もある。KINAN Cycling Team は 3 年連続の招待を受けての出 場。14 カ国から 28 チームがエントリーし、日本からはブリヂストンアンカーサイクリン グチームも参戦している。
第 1 ステージは、ブロワからモン=プレ=シャンボールまでの 154.5km。おおむね平坦 ではあるものの、スタート直後から逃げ狙いのアタックが続発すると予想された。KINAN 勢は序盤から逃げに乗るチャンスをうかがい、積極的にトライすることを前夜のミーティ ングで確認した。
その通り、序盤から集団の前方でレースを展開。山本や野中らが飛び出すチャンスを図 ったが、スタートから約 30 分を迎える段階で 7 人の逃げグループが形成され、KINAN 勢はいずれもメイン集団に待機する形となった。

KINAN 勢が固まって集団内を走る

 

 

しかし、その後もメイン集団に落ち着く気配がないのがこのレースの厳しさ。各所で落 車が発生し、野中が巻き込まれる場面もあった。それでもダメージはなく、問題なくレー スに復帰。時速 40km を超え、ときに 50km 前後にまでペースが上がる中、KINAN 勢は メイン集団でレースを進めた。
最終盤は、名城・シャンボール城にほど近い小さな街、モン=プレ=シャンボールの周 回コース。1 周 5.5km のサーキットを 3 周回してフィニッシュへ。逃げ続ける 7 人とメイ ン集団との攻防は、結果的に逃げメンバーに軍配。ラスト 1 周で先頭グループから抜け出 したダミアン・ショー選手(アイルランド、アンポスト・チェーンリアクション)が独走 勝利を挙げている。

独走勝利を飾ったダミアン・ショー選手

 

 

KINAN 勢は、雨乞でのスプリントを狙ってポジション確保に努めたが、このステージ では奏功せず。最後は危険を回避しながら、6 人全員がトップから 47 勝差のメイン集団 でフィニッシュ。なお、チーム最高位は雨乞の 63 位となった。
全 5 ステージで争われる今大会。翌 13 日に行われる第 2 ステージは、ラ・フェルテ= アンボーからヴルヌー=アン=ソローニュまでの 184km。前半に 2 カ所の山岳ポイント があるほかは平坦とされるだけに、第 1 ステージに続きハイスピードの展開となるだろう。 KINAN Cycling Team はリザルトなど、目に見える成果とはいかなかったが、無難な立 ち上がりで次へと駒を進めた。この先の 4 ステージで好機をつかみにいく。
ツール・ドゥ・ロワール=エ=シェール第 1 ステージ(154.5km)結果
1 ダミアン・ショー(アイルランド、アンポスト・チェーンリアクション) 3 時間 32 分 23 秒
2 トーマス・ロストラン(フランス、アーミー・ド・テレ) +4 秒
3 ジョーイ・ファンリー(オランダ、デストリ・ジョーピールスサイクリングチーム) +7 秒
4 ニクラス・ペデルセン(デンマーク、チーム ジャイアント・カステリ)
5 レネ・ホーヘムステル(オランダ、ベイビーダンプサイクリングチーム)
6 ジョシュア・フッペルツ(ドイツ、チーム ロット・ケルンハウス)
63 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +47 秒
129 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team)
145 山本元喜(KINAN Cycling Team)
150 野中竜馬(KINAN Cycling Team)
152 椿大志(KINAN Cycling Team)
155 中西健児(KINAN Cycling Team)
個人総合時間賞
1 ダミアン・ショー(アイルランド、アンポスト・チェーンリアクション) 3 時間 32 分 13 秒
2 トーマス・ロストラン(フランス、アーミー・ド・テレ) +6 秒
3 ジョーイ・ファンリー(オランダ、デストリ・ジョーピールスサイクリングチーム) +10 秒
4 ジョシュア・フッペルツ(ドイツ、チーム ロット・ケルンハウス) +11 秒
5 レネ・ホーヘムステル(オランダ、ベイビーダンプサイクリングチーム) +16 秒
6 ニクラス・ペデルセン(デンマーク、チーム ジャイアント・カステリ) +17 秒
63 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +57 秒
129 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team)
145 山本元喜(KINAN Cycling Team)
150 野中竜馬(KINAN Cycling Team)
152 椿大志(KINAN Cycling Team)
155 中西健児(KINAN Cycling Team)
チーム総合時間賞
1 アンポスト・チェーンリアクション 10 時間 38 分 45 秒
28 KINAN Cycling Team +47 秒
●監督・選手コメント
加藤康則ゼネラルマネージャー
「まず、トラブルなくステージを終えられたことに満足している。逃げグループが早い段 階で形成されたことで、メイン集団が落ち着いたことが選手たちにも味方した。本場ヨー ロッパの選手たちでも苦しむようなレースにあって、6 人全員がメイン集団でフィニッシ ュし、次のステージに臨むことができるのはきっと自信になるはず。
第 2 ステージはレース距離が伸びてあらゆる展開が考えられる。逃げ狙いの選手も増える だろうし、終盤の周回コースも長めで、強い風が吹く可能性もある。集団がいくつにもば らける可能性があるので、そこをどう対処していくかがポイント。それは選手たちも理解 しているし、その中でどれだけ力を出せるかにかかっている」
中西健児
「(UCI ヨーロッパツアーデビューにあたり)アジアのレースと比べると、集団全体に隙 が無い感じで、なかなか前に出してもらえないあたりにレベルの高さを感じている。ただ、 このステージに限っては風が穏やかで、まとまった攻撃も少なかったので、レースを通し て強度そのものはさほど高くはなかった。しいて挙げるなら、平坦ステージでは自分たち にやれることは限られていた。
今後のステージでは、前半で逃げに加わるか、アップダウンのあるステージでチャンスを うかがっていきたい。そう簡単にはいかないが、トライしていきたい。
ヨーロッパのコースは、道が狭かったり、ランドアバウト、バンプなどトラップが多いと いう印象。そのあたりはレースを通じて慣れていきたい」

スタートする中西健児
野中竜馬
「集団内で雨乞のポジション確保に動いているところで、周りの選手に巻き込まれる形で 落車した。周回コースに入った段階で何かアクションを起こせたらと思っていたが、それ がきっかけで難しくなってしまった。スピードが落ちたところで他選手のバイクに乗り上 げるような形だったので、体へのダメージはないのが不幸中の幸い。
1 ステージ走ってみて、この先のステージではチーム内で誰かが逃げに乗って、前方でレ ースを展開できるチャンスがあるのではないかという感触をつかんでいる。また、大会中 盤のステージがヤマ場だとも思っているので、そこで自分たちの力が試される。チーム全 体で動いて、結果を残したい」

スタートする野中竜馬

 

 

~写真紹介~

雨乞竜己がフランスメディアの撮影に応じる

 

ファン自作のポストカードにサインする中西健児

 

レース前のケアを受ける阿曽圭佑

 

選手の脚に貼られるのは KT テープ

 

選手・スタッフ全員で記念撮影

 

スタート前にアスリチューンで栄養補給

 

 

レース前のケアを受ける中西健児

集団内を走行する椿大志

 

 

カメラを見つけておどける雨乞竜己

 

野中竜馬は集団後方で次の展開に備える

 

スプリントを意識して動いた雨乞竜己

 

 

ペースの上がる集団を走る阿曽圭佑

 

 

前半から積極的に動いた山本元喜

 

落車のダメージなくフィニッシュした野中竜馬

 

選手たちが思い思いにレースを振り返る

 

 

YONEX 製のインナーウェアが選手の体をサポートする

 

 

 

text&photo:Syunsuke FUKUMITSU

 

 

 

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