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連載コラム

連載 自転車徒然草

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第11回「紅葉と桜を訪ねて、山岳ライドでヘトヘトに」

秋は自転車にとって、走りやすい季節である。ところが今年は、その秋がないといわれているようだ。夏の暑さが9〜10月まで続いたかと思えば、いきなり冬の寒さになったり…。寒暖の差が激しいのは、ラニーニャ現象の影響ということらしいが、秋がないのなら、自然の中へ秋を探しにいってみようかな。本格的な冬がやってくる前に、穏やかな気候の日を狙って自転車でどこか遠出をしてみようと思い立った。

9月は海沿いを走ったから、今度自転車で出かけるなら山岳ライドか…。となると、この季節はやはり紅葉を楽しみたい。僕が住む名古屋市からだと、豊田市の山間部にある「香嵐渓」が紅葉の名所として人気がある。紅葉の見ごろが11月下旬だから、ちょっと早いかもしれないが「香嵐渓」へ。さらに山道を攻めて、豊田市や岡崎市など西三河地域の水瓶となっている「矢作ダム」まで走るとしよう。

ルートを調べていると、矢作ダムに近い小原町には、春と秋に開花する四季桜があるという。10月の終わりから、雪のちらつく頃まで花をつけ、紅葉と桜のコントラストが楽しめるというのだ。香嵐渓の紅葉に、小原町の四季桜。これはいいかもしれない。ただ、矢作ダムから小原町へ抜ける山道が、どうも坂がきつそうなのだ。そこで、とりあえず名古屋から片道約60kmに位置する「矢作ダム」をゴール地点として、体力に余裕があれば小原町経由で四季桜を観て帰ってこようかな。



秋晴れの文化の日、ロングライドに出発

11月3日(水)文化の日は、秋晴れの自転車日和となった。何年か前にユニクロで買ったサポーター機能付きのロングスパッツをはいて、その上からレーパン。半袖のサイクルジャージに、腕にはアームウォーマーをつけ、グローブは指切りタイプで大丈夫そうだ。薄手のフルフィンガーグローブも携帯して、もし寒くなったらフルフィンガーに指切りグローブを重ねればいい。もちろん、防寒用にウィンドブレーカーも携帯して、いざ出発。自宅を出たのが朝9時過ぎ、気温は12度と低めだが、快晴に恵まれ自転車をこぐにはちょうどよい。走るうちに身体が温まり、さわやかな紅葉ライドが楽しめそうだ。

まず、名古屋市の中心部を抜けるメインストリート・広小路通を東へとひた走り郊外へ。東名高速道路の名古屋インターを超えて、名古屋市から長久手町に入ると、なだらかな坂道が続くようになる。名古屋市と豊田市を結んで実用運転されているリニアモーターカー「リニモ(愛知高速交通東部丘陵線)」を、道路の右手に見ながらしばらく走ると観覧車が見えてくる。2005年に開催された愛知万博の会場跡地にある「愛・地球博記念公園」だ。ここには万博開催時にあった大観覧車や、宮崎駿監督のアニメ「となりのトトロ」に登場する「サツキとメイの家」を再現したパビリオンがそのまま残されている。休日になれば家族連れがたくさん訪れるようだ。

愛・地球博記念公園の横、リニモはかなり高い位置にある高架を走っている

公園入口で写真を撮って、再びリニモと併走して走ると、いよいよ豊田市に突入。そして道は、猿投グリーンロードという有料自動車道路になる。八草インターから力石インターまで延長13.1kmの猿投グリーンロードには、道路脇に歩道が設置されていて、自転車や歩行者は無料で通行できるようになっている。車道と分離された歩道は、すれ違う歩行者や自転車もほとんどなく走りやすい。ただ、歩道が一部階段になっているところがあったり、ところどころ木の実や小枝がいっぱい落ちているところがあるのが難点。パンクしないだろうかと、ちょっと心配になった 。

山道を通る、猿投グリーンロード

猿投グリーンロードに入って間もなく、勾配6%の上り坂がしばらく続くが足はまだ軽い。その後も、わずかに色づいた木々を眺め山道をアップダウン。山を縫うように走る道だけあって、道路脇には「動物注意」の標識も見られる。今年はサルやイノシシ、シカなどの野生動物が農作物を荒らしたり、人間や家畜に危害を及ぼすというニュースをよく耳にする。豊田市でも先日、人里でクマが出たというニュースが報道されていた。

猿投グリーンロードから見た、矢作川

目的地である矢作ダムにつながる矢作川を越えると猿投グリーンロードの終点、力石インター。ここから国道153号(飯田街道)を10km弱ほど北上すると紅葉の名所「香嵐渓」だ。



東海エリア屈指の紅葉スポット「香嵐渓」

香嵐渓まで比較的穏やかな坂道が続く国道153号(飯田街道)は、紅葉のシーズンになれば激しい渋滞が発生する。自転車なら渋滞しているクルマを横目に快適に走れそうだが、道幅はそれほど広くないので、場合によっては歩道を走ることを余儀なくされるかもしれないな。

11月中の日没から夜9時まで、ライトアップもおこなわれる

香嵐渓まであと3kmとなった辺りから、交通量も増えて、徐行するクルマが多くなった。ほどなくして名古屋から約39kmの地点にある「香嵐渓」に到着。矢作川の支流・巴川がつくる渓谷に約4000本の樹木が鮮やかに色づくのだが、さすがに11月の頭では、まだ紅葉はまばらである。香嵐渓のシンボルといえる朱塗りの待月橋(たいげつきょう)を渡り、巴川沿いを、香嵐渓広場まで自転車を押して歩くことにした。紅葉の見ごろには時期も早いし、人手は少ないだろうと思っていたのだが、川沿いの遊歩道は行楽客でいっぱいだ。

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