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連載コラム

連載 自転車徒然草

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第23回「車道走行を徹底へ!自転車通行環境に改善のメス」

自転車道や自転車レーンを整備

今回、警察庁が打ち出した自転車の総合交通対策では、車道走行の徹底に向けて、自転車の通行環境やインフラの整備をすすめていく方針も示している。具体的には自転車が通行できる歩道を減らすとともに、自転車専用道や、車道の左側に自転車レーンを増やすということだ。つまり自転車の交通量が多い片道2車線以上の道路では、自動車の車線を減らして自転車道の整備を検討するというのだ。これはなかなか画期的!
例えば、警視庁は東京都内で車道左側を青色にカラー舗装した自転車レーンの整備を始めるという。車道の一部をカラー舗装するだけなら、確かに整備も容易だ。全国の主要道の8割には、その余地があるといわれている。実際に効果の面でも、栃木県宇都宮市では自転車レーンの整備により事故が約4割減少したという話を聞いたことがある。

もちろん自転車レーンを作り、歩行者と自転車を切り離しさえすれば、すべて問題解決というわけではない。自転車レーンを作っても、それがちゃんと有効に機能するかどうかが問題だ。
交通ルールを知らない人、マナーを守らない人が、これまでの歩道のように通行方向もお構いなしにデタラメに車道を走るようになれば確実に事故にあうだろう。自転車レーンを作るなら、クルマと同じように「左側通行」を徹底させて、自転車が逆走しないように「一方通行」にすること。自転車の対面通行をなくすだけでも事故を抑制できるはずだ。車道走行する自転車が増えれば、自転車同士の接触事故をなくすためにも配慮が必要になるだろう。

自転車で車道を走っていると、駐停車しているクルマを避けて走らなければいけないケースがある。自転車レーンができても、違法駐車のクルマで自転車が通行しにくくなっては意味がない。違法駐車を厳しく取り締まり、レーン上のクルマを極力減らすことも必要になるだろう。

警察庁としては、パーキングメーターなどがある道路の場合、利用度の低いパーキングメーターの撤去も考えているようだ。またパーキングメーターを残すとしても、一番左側の車線を駐車枠と自転車レーンとすることを検討するとか。
まぁ、どこまで実現できるかまだ分からないが、自転車が安全に走れるように環境整備がすすめられるというのはうれしいことである。



交差点の自転車横断帯を撤去

自転車事故は自動車との事故が8割以上で、出会い頭、左右折時の衝突事故が圧倒的に多いという。つまり車道より交差点などで発生する事故が多いということになる。こうしたことも踏まえてか、今回、自転車レーンの整備とともに、交差点での自転車通行も見直しがされる。交差点で横断歩道の横に設けられた「自転車横断帯」が一部撤去され、車道を走る自転車はまっすぐ交差点を横断できるようになるのだ。
「自転車横断帯」は一般的に歩道をつなぐ形で設置され、自転車が歩道を走ることを前提にしている。車道を走っていた自転車が交差点を横断しようとすると、いったん左折するような動きをしてから自転車横断帯を通ることになる。そのため、左折すると勘違いしたクルマと衝突したり、交差点を左折するクルマに巻き込まれたりする危険性があった。


これまでの自転車走行


自転車の総合交通対策が示した自転車走行
※歩道の幅が3m以上の場合、自転車横断帯は撤去の対象外になる

また、歩道を自転車で走り自転車横断帯を通る場合も、車道との間に街路樹などがあればクルマから死角になり、左折車に巻き込まれる恐れがある。自転車の車道走行を徹底させるのであれば、今回の自転車横断帯の撤去のように問題がある部分の改善をどんどんすすめてほしい。
さらにいえば、欧米ではすでに採用されている2段停止線(クルマの停止線より前に自転車専用の停止線を設ける)や自転車専用信号(自動車用の信号より先に青になる)を設置して自転車を先に直進させれば、左折車の巻き込み事故を防ぐことができ、安全性がより高められることだろう。



名古屋市に登場した自転車道

僕が住んでいる名古屋市では、今年6月から市の中心部を東西に横断する幹線道路「桜通」に自転車道が開通した。片道4車線だったのを3車線に車線を減少して、車道上に自転車、歩行者、自動車を分離した自転車道が作られたのである。


歩道と自転車道を隔てる植樹帯には、駐輪場が設けられているのがうれしい


ただ実際に走ってみると、自転車横断帯への誘導と、2車線対面通行になっているのが気になるところ。左折するクルマの巻き込み事故や自転車相互の接触事故を防ぐためには、自転車道はまっすぐ片道通行であることが望ましいのだけどなぁ。


バス停は停留島の構造になっていて、歩行者と自転車が交錯することになる

名古屋市には市街地の真ん中にやたらと広い道路がたくさんある。片道だけで5車線とか、反対車線を合わせると8車線、9車線といった感じだ。戦後の戦災復興区画整理でこうした大きな道路がたくさん作られた。自動車にとっては走りやすい街である。ここに自転車レーンが新たに作られ5車線が4車線になっても、もともと広い道路では自動車も困らないのではないだろうか。むしろ狭くなることで、スピードを抑えることにもなって事故が減ったりするといいのだが…。とにかく今回の警察庁による自転車の総合交通対策を受けて、自転車が走るうえで安全な環境が整備されていくことに期待したい。そして僕たち自転車利用者には、車道でクルマと共存していくためにも、交通ルールの厳守と交通秩序の理解が、いま改めて求められているのだろうな。


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