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連載コラム

連載 自転車徒然草

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第25回「おちょぼさんへ、初詣ライド!」


大晦日に年越しそばを食べて、元旦はおせちにお雑煮…。正月休みは飲んだり食べたりばかりで、家でごろごろしていたような気がする。これじゃ体も鈍ってしまう。そこで、2012年の走り初めにと、ロードバイクにまたがり初詣に出かけてきた。
向かったのは岐阜県海津郡平田町、「おちょぼさん」の愛称で親しまれている「お千代保稲荷」。伏見稲荷(京都)、豊川稲荷(愛知)とともに、日本三大稲荷といわれている神社で、お正月や月末には商売繁盛・家内安全を願って県内外から多くの参拝客が訪れる。

今年は1月6日が、二十四節季でいうところの「小寒」。つまり「寒の入り」である。この日を境に2月の立春までは、1年で最も寒くなる季節といわれている。僕が初詣ライドに出かけたのは、寒の入りを迎えた翌日の1月7日。日中の気温は8〜9度までしか上がらず、自宅を出発した朝9時半の段階で気温は3度ほど。風は冷たく寒さが身に凍みる。でも、雲は少なく、なかなか良い天気だった。
寒い冬でも自転車で走り出しさえすれば、体はすぐに温かくなる。ただ、「頭(首や耳など)」「手」「足先」といった末端部分は、ライディング中になかなか動かせないので、血流が悪くなって冷えてしまいがち。いやいや、冷えるというより、かじかんで痺れるといった感じが近いかな…。
こうした体の末端を暖かくすれば、それだけでずいぶんと体感温度は上がるものだ。冬場のサイクリングには末端の保温アイテムとしてキャップやグローブが必須になるのはもちろん、足先をカバーするトゥウォーマーも欠かせない。自転車用シューズは通気性が非常によいので、トゥウォーマーで冷たい外気の流入を断ち切るだけでも寒さはずいぶんと違ってくるのだ。


フリース素材で保温性に優れたボントレガーのトゥウォーマー。
つま先にかぶせるだけで脱着も簡単。
それにしてもクリートがもうボロボロだ…


ソックスを2枚重ねにして、トゥウォーマーもしっかりと装着すれば、足元からの寒さ対策はバッチリ!これで「おちょぼさん」をめざして、まずは名古屋市の中心部を東西に横断するメインストリート・広小路通を走り出した。栄、名古屋駅といった名古屋市の繁華街を抜けて、西へ西へとまっすぐひた走る。やがて名古屋市を出て、海部郡大治町、あま市七宝町を通り抜け、約1時間ほど走ると津島市だ。
津島市には、日本全国に約3千の分社を持つ天王社の総本社「津島神社」がある。織田信長や豊臣一族にゆかりの深い古社で、初詣の参拝者も多い。この津島神社の東鳥居の近く、門前町の一画にひときわ目を引く御神木があった。根まわりの太さが10m、横に伸ばした隆々とした枝と、塚のように盛り上がった大地に力強く根をはる姿が迫力満点だ。





津島神社の御神木は、
樹齢400年以上、高さ30mの大いちょう


津島神社を後にして、北西へと走り出すと、愛西市に入ったことを知らせる標識が目に入った。この一帯は濃尾平野の穏やかな農村地帯。冬の田園風景が広がる県道8号線をさらに北上していくと、木曽川と長良川に架かる赤い橋「東海大橋」が現れた。この東海大橋を渡ると、いよいよ岐阜県に入ることになる。「おちょぼさん」も、まもなくだ。




東海大橋の木曽川上に、
愛知県と岐阜県の県境がある


東海大橋で木曽川と長良川を渡ると右折。長良川右岸の堤防道路、県道23号線に沿って続く「長良川自転車道(岐阜千本松公園自転車道路)」を北上する。堤防道路の下にある自転車道からだと長良川を見ることはできないが、遠くに雪をかぶった伊吹山と養老山脈を眺めながら、のんびり心地よく走ることができた。ただこの季節、西にそびえる伊吹山から吹き下ろす「伊吹おろし」と呼ばれる西風を正面にうけることになるのがやっかいなところ。でもまぁ、帰りは追い風になるからいいか…と少々楽観的。





よく整備された長良川自転車道。
思いのほか快適に走れ、遠くには伊吹山の冬景色も見られる


自転車道をしばらく走り、一般道に出て、さらにペダルを回す。お千代保稲荷に近づくと、クルマの量が徐々に多くなってきた。そして、津島神社から約1時間、名古屋から約2時間、距離にして名古屋から約40km。ようやくお目当ての「お千代保稲荷」に到着した。





お千代保稲荷の南鳥居の向こうは、
初詣参拝者で賑わう参道が続く


時間はまもなくお昼どき、お千代保稲荷の南鳥居をくぐると、参道は初詣の参拝者であふれていた。参道脇には、縁起物の熊手などを売る店も数多く見られた。また、名物の川魚料理や串カツ、どて煮、たいやき、草もちなどのお店に加え、露店も並び、店々からいい匂いがしてくる。すぐにでも「おちょぼグルメ」をいろいろ食べ歩きしたいところだが、その前にまずはお参りを済ませよう。




社殿へ続く鳥居の脇に、「手水舎」がある


南鳥居から東鳥居までの約800mの参道の途中には、社殿に続く大きな鳥居がある。この鳥居をくぐるとすぐに「手水舎(ちょうずや)」があるので、ここでまず手や口を清めることにした。

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