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連載コラム

連載 自転車徒然草

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第31回「被害者にも加害者にもなる、自転車事故に注意を」


先日、自転車通勤をしていた時のことである。自宅から片道約4kmの通勤ルートを、いつものように車道を走って会社へと向かっていた。事務所に近づいたので、スピードを落として車道から歩道に入った。歩道はゆるやかな上り坂。ペダルを踏み込み、歩道の車道寄りの位置をゆるやかに走り出した。次の瞬間、歩道脇の看板の影から、ケータイ片手に自転車に乗った女性が勢いよく飛び出してきた。突然のことに慌ててブレーキをかけるが、時すでに遅し。ガッシャーンと自転車と接触、そして転倒。

近くにいた人たちが「大丈夫ですか?」と心配して駆け寄ってきてくれた。事故を見ていた人がいうには、僕は自転車ごと1回転して転倒したらしい。つんのめるように身体を前方に1回転させて転倒。かなりアクロバティックに転んだようなのだが、地面で頭を打つこともなく、軽いすり傷と打ち身、小指の突き指だけですんだのは幸いであった。(ただ、小指が3週間経った今も痛いのが心配なところ)
歩道脇から突然に自転車が飛び出してきたとはいえ、歩道を走る以上は、いつでも止まれる速さで走っている必要があった。でも、飛び出してきた女性が、もしケータイを使いながら運転をしていなかったら…、ちゃんと両手でブレーキをかけていたら…、ぶつかる前に止まることもできたのではないだろうか。


携帯電話を操作しながら、あるいはヘッドホンをしての自転車運転は、自治体によっても異なるが5万円以下の罰金が課せられることにもなる。
今回の事故で身体に大きな問題はなかったが、自転車本体には少々問題が…。普通に走ることは問題なくできるのだが、前輪を回してみると、タイヤが左右に振れている。そこでサイクルショップでチェックしてもらったところ、やはりリムの歪みで修理が必要ということになった。
ここで思い切ってホイールを交換という方法もあるが、お財布の中身が厳しいので、とりあえず修理してもらうことに。一通り点検してもらって、調整が必要なリムの歪みとヘッドのガタを直してもらい、修理代は1800円。大きな出費にならなかったのは助かった。



自転車は車両、歩道は歩行者優先

自転車は道路交通法上で「軽車両」と位置づけられている。そのため自動車と同じように車道(車道の左側)を通行するのが原則になっている。ただ、例外的に歩道の通行が認められているのは、「自転車及び歩行者専用」の標識がある歩道。そして「13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者などが運転している場合」と「自転車通行の安全を確保するためにやむを得ない場合」である。歩道は、あくまで歩行者優先。自転車が歩道を走る場合は、歩道の車道寄りをゆっくり徐行することが基本ルールとなっている。



ところが実際、歩道を走る自転車は、安全に対する意識が低いと思える走り方をしている人も少なくない。ケータイを使いながら自転車に乗っている人、日差しの強い夏などは日傘を差して片手運転をしている女性もよく見かける。歩行者の間を縫うように猛スピードで走行している無謀な人もいたりする。歩行者が急に思わぬ方向へ動き出したらどうだろう。もし歩行者をはねてケガをさせることにでもなれば当然責任が問われ、数千万円単位の損害賠償を請求されることもある。


僕が経験した今回の事故は、自転車同士の事故で幸いにも双方ともすり傷程度の軽いケガですんだ。でも、もしぶつかった相手が歩行者だったら…。しかも、それが子どもや高齢者だったら…と想像すると恐ろしい。
自動車は誰もが気軽に乗れる便利な乗り物である。しかし、自転車は自動車や自動二輪と同じ「車両」であり、時に自転車が人の命を奪う凶器になることだってあるだろう。被害者だけでなく加害者にもなりうるのだ。

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