幸壬 学さんwith小平奈緒選手②…バンクトレーニング編

気になるあの人、MBKの幸壬 学さんwith小平奈緒選手の第2回は、

毎週木曜日に行われるピストバイクでのバンクトレーニングをレポートします。

 

第1回記事はコチラから

 

◎最初に、今日のトレーニングの概要を教えてください。

 

まず、トレーニングの前に結城匡啓監督や斉川史徳コーチと連絡を取り合います。そこで、小平奈緒選手をはじめ参加選手、ほとんどの場合、小平奈緒選手の練習パートナーである山中大地選手と同じ女子スピードスケートの宮崎麻衣選手が多いのですが、彼らの前日のトレーニング内容や体調を確認。それに合わせて、今日のトレーニングメニューを調整します。大きな流れは変わりませんが、何をどれだけやるか等、細かな部分は当日の選手たちの状況に合わせ、臨機応変に変えるようにしています。

ただし、今オフシーズンにおいて、個々の目標値は自分なりに設定しており、私が考える成果を挙げられるように、トレーニング最終日までの大まかなメニューは組んであります。

今日は、昨日かなり追い込んだ筋肉トレーニングをしたということなので、筋肉の強張りを緩めて疲労を軽減する意味も含め、約2時間半~3時間、適度な運動量になるよう様子を見ながら進めることになると思います。

 

 

 

◎今日のトレーニングで幸壬さんが一番気をつけていることは?

 

今日だけではありませんが、なんと言っても、怪我や故障を起こさせない。ということに尽きます。特に、事故、怪我には注意しています。選手たちにとって自転車はスケートが強くなるための手段であり、目的ではありません。

サイクルアスリートとは違うということを念頭に置き、とにかく自転車で怪我をするなんてことだけはないように細心の注意を払っています。

また、自転車トレーニングの時は、楽しんで自転車に接してもらうことも大事だと思っています。24時間スケートの事を考えている彼らなので、リラックスタイムも兼ねてもらえれば幸いだと思っています。

違う競技を実践してもらっていることの意味を彼らは十分理解していますが、あえて競輪の話しをしたり自転車ロードレースの話しをすることにより、既に彼らに備わっているスケートでの常識を再認識してもらうことも、敢て必要だと思っています。

 

その他、気温の高い日は、選手の様子を見ながら休憩や水分補給も随時お勧めするようにしています。といっても、小平奈緒選手をはじめ、山中大地選手も宮崎麻衣選手も 自己管理がしっかりとできるレベルの方ですから、私が一人で心配しているだけとも言えますが(笑)。

私のような自転車選手は、「暑さ」はそんなに苦にならないのですが、彼らは氷の上の方が得意なので「暑さ」は少し苦手のようです(笑)。。。

小平奈緒選手

 山中大地選手

 

宮崎麻衣選手

 

トレーニング中も適宜コミュニケーションを取り
必要に応じて自転車の調整を行うことも

 

 

 

◎選手の皆さんが使用されている自転車について教えてください

 

バンク練習では、小平奈緒選手と練習パートナーの山中大地選手にはMBKトラックレーサー=UCIワールドカップ等でアルカンシェル(世界チャンピオン)を獲得した高剛性カーボンフレームに乗ってもらい、宮崎麻衣選手には、BomberPro(鶴岡レーシング製の高張力スチール素材の競輪用NJS認定フレーム)を提供しています。

設計やセッティングについては、大前提としてスピードスケートで強くなることが目的であるため、スケーティングの姿勢に近い乗車姿勢をイメージしながら、スケートで使われる筋肉と同じ筋肉を刺激できるようにし、その上で一人ひとりの身体能力や課題に応じた、微調整を施しています。勿論、自転車を操る為に無理のないポジションであることはいうまでもありません。

 

特に、小平選手の設定について言えば、彼女のスケーティングの持ち味であるダイナミックな動きを殺さないため、フレームは1サイズ大きくして体格の一回り大きな男子と同等サイズのフレームを用意し、ポジションの調整巾を大きく取りながら、乗車時の自由度も大きくできるようにしてあります。

さらに、上半身、もう少し詳しく言うと体幹部の力を下半身に無駄なく伝える感覚や、上半身と下半身との連動性を感じてもらいやすくするため、あえてギア比も少し重く設定してあります。

これらの設定の顕著な特徴は、下半身はもちろん上半身の力がしっかりしていないと、スピードに乗れないことです。

ただし、その状態でも自転車なので、結城匡啓監督が求められている“速いピッチ”は十分に得られます。それには、各選手の身体能力の見極めを間違わないことが重要になってきます。

 

単に自転車に乗せてトレーニングを頑張らせるのではなく、選手一人ひとりの特性や目的に合わせてカスタマイズすることで、より大きな効果を生み出していきたい。

また、彼らは「考えるスケート」をモットーとしているので、そのサポートも大事だと思っています。

常にそんな願いを込めて、車両と技術を提供させてもらっています。

 

 

 

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【取材MEMO】

小平 奈緒(こだいら なお 1986年5月26日生まれ )選手/ スピードスケート

長野県茅野市出身。バンクーバーオリンピック女子団体パシュート 銀メダリスト。

身長164.7cm。信州大学教育学部卒業。相澤病院所属。

 

続き・・・第3回の記事はコチラから


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