クロモリLove!自転車小僧は永遠に・・・・・・DOBBAT’S ③

こんにちは、シッチーです。

今年も残すところあとわずかですが、皆さんお元気ですか。

では、早速ですが「DOBBAT’S(ドバッツ・ライノ・ハウス)」の斎場孝由さんのお話、

3走目をお届けします。

(1走目はこちらから)

(2走目はこちらから)

 

ドバッツさんの歴史を駆け足でお話いただいた後は、

せっかくお店まで来ているので併設の工房も見せて頂くことに。

斎場さんにお願いしたところ、快く案内してくれました。

 

 

かすかに金属の匂いが漂う工房に入るや目に飛び込んでくるもの、

それは天井に吊られた製作途中のフレームの数々。

一目見ただけでも精度が高いというか、手前は剥き出しの状態にもかかわらず、

仕上がりを想像するとどれも格好いい自転車になりそうで想像力を掻き立てられます。

噂には聞いていましたが、特につなぎ目の滑らかさが目を引きます。

 

 

つなぎ目に凹凸がまったくないように見えますが、

ここがやはりドバッツ印の自転車の特徴と言っていいのでしょうか?

 

ディテールという部分に関しては、そこは一番のこだわりですし、

そう言って頂いていいと思います。


どうやって溶接しているのでしょう?

 

「ろう付け」です。

これでもまだ途中。ろう付けされた部分を
サンダーやヤスリといった道具を駆使して手間暇かけて磨く

 

ろう付けにはラグという継ぎ手を使う方法もありますが、ドバッツでは

ラグを使わない「ラグレス」を発展させた「フィレットブレイズ」こだわっています。

 

 

それはなぜ?

 

ラグを使うと、角度、チューブの太さ、形状、に制約が生まれますが、

ラグレスの場合は自由にできます。

何より独特のデザインができます。

ドバッツとしては、仕上がりの美しさにもこだわりたかったので、

必然的にラグレスのろう付けということになります。

 

一見ラグを使っているようですが、これは装飾のために削りだしたもの

 

 

 

斎場さんが考える仕上がりの美しさとは?

 

フレームの仕上げについてひとことで言えば「ぬめぬめしている」(笑)。

塗装の技術もありますが、やはり下地になるフレームの表面がなめらかでないと、

光が反射した時に歪みもなくどこまでもなめらかな曲線を描き、

漆器のような光沢感を出すというのは難しいんじゃないでしょうか。

 

 

それって大変では?

 

かなり大変です(笑)。

でも、数あるブランドの中で「ドバッツとしての個性とはなんだ」と考えたら、

そういうディテールへのこだわりの積み重ねも重要なんじゃないかと。

 

1本フレームをつくるだけでもかなり時間がかかりそうですよね。

 

そうなんです。そこが悩ましいところです。

頑張ってスピードアップしたいのですが、なかなかそうはいかない。

 

いまドバッツさんに自転車をお願いしたら、納車までにどのくらいかかるんですか?

 

だいたい1年くらいお待ち頂くことになります。

ものすごく申し訳なく思っているのですが、志智さんたちの競輪用の自転車の世界では、

そんな事ありませんよねぇ・・・。

志智さんは最長でどのくらい納車まで待たれたことがありますか。

 

メーカー名は伏せますが、競技用の自転車で納車までに6ヶ月かかったことがあります。

人から聞いた話でも1年とは言いませんが、それに近い待ちのものもあるようです。

 

お客様をお待たせしているのが本当に心苦しかったのですが、

それを聞いて(安心してはいけないんですが)ちょっと安心しました。

 

 

そういえば、競輪ではレース用自転車のフレームはクロモリ(クロムモリブデン鋼)と

規定されていますが、ラグレスは強度の面ではどうですか?

 

ラグレスでもラグを使用した場合でも、TIG溶接の場合と比較しているわけではありませんが、

どの方法も自転車の必要強度は十分です。

使用目的、用途、体格、好みなどを考慮してパイプの種類、肉厚、太さを選んでいます。

 

美しいだけでなく高性能でもあるということですね。

 

それは、ドバッツだけが特別というわけではなく、

日本のクロモリフレームのレベルが世界でも群を抜いている結果とも言えます。

その根本は、志智さんがおっしゃったように「競輪自転車のフレームはクロモリ」と

決められている影響が大きいと思います。

 

数年前に、北米で開催される「ナーブス」という世界的なハンドメイドバイシクルショーを

見学した際に、それを端的に感じる出来事がありました。

街中のバイクショップで日本ブランドのバイクが飾られていたんです。

聞いてみると、現地でも希少性が高くて人気と言われ

日本のクロモリフレームの技術はワールドワイドにスゴイ」と

肌で感じました。

 

 

斎場さんのお話を伺っていて、自転車小僧としても競輪選手としてもうれしくなったシッチー。

前々から気になっていたということから、不思議な縁みたいなものまで感じてしまいました。

(そんな気持ちにさせてくれるところも、斎場さんというか、

ドバッツの魅力の一つなのかもと思いつつ)

 

 

フレーム以外にもドバッツさんでつくっているパーツはありますか?

 

そうですね。近年は、ステム(ハンドルとフレームを繋ぐパーツ)についても、

デザインの統一感を高めるために、フレームと合わせ、製作することが多くなっています。

カンティブレーキも製作しました。

 

 

オリジナルのステムならではの高いデザイン性

カンティブレーキもデザイン統一でおしゃれに

 

デザインの統一性ということで言えば、ドバッツはフレームビルダーではありますが、

フレームから自転車の仕上がりを発想するのではなく、

あくまで完成車としての自転車を先にイメージし、

そこから導き出される最適なフレームをご提案・製作するようにしています。

 

 

と、3走目のお話はここまで。

 

お店でシッチーが見て気になった自転車の話題など、

さらに次回に続きます~。

 

 続きはこちらから

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【取材memo】

自転車の溶接方法について

❏ろう付け溶接

融点の低い合金「ろう剤」を使った溶接。ラグと呼ばれる継ぎ手を使ってパイプを組み合わせ、ろう材を溶かして毛細管現象を利用して流し込み隙間を埋めて接着する「ラグ溶接」と、ラグを使わずパイプ同士を直接ろう材で溶接するラグレス(溶接)がある。

ちなみに、ドバッツさんはこのラグレスの精緻な仕上げでもファンが多い。

 

❏TIG(ティグ)溶接

タングステン電極による電気溶接。ティグとTungsten Inert Gasの略。斎場さんが東洋フレーム時代に衝撃を受けたmade in USAのMTB等で採用。ほぼ、どんな金属でも溶接できて自由度も高いが、ヨーロッパや日本の自転車つくりにおいては、仕上がりの美しさに欠けることから成人用の自転車で採用されることはほとんどなく、子供用の自転車などで使われていた。


コメントは受け付けていません。