ツール・ド・フローレス第6ステージ
キナンサイクリングチームレースレポート

ツール・ド・フローレス トマ・ルバが個人総合優勝
 最後はステージ優勝で王座獲得に花を添える

個人総合の表彰。トマ・ルバが晴れてリーダージャージに袖を通した

チーム総合の表彰。チーム全員で登壇

 

 

●ツール・ド・フローレス(Tour de Flores, UCI Asia Tour 2.2) 第6ステージ ルテン~ラブハンバジョ 120.2km
●出場選手
ジャイ・クロフォード
山本元喜
阿曽圭佑
中西健児
トマ・ルバ

戦いを終えた 5 選手が記念撮影

 

 

19th July 2017
インドネシア・フローレス島を舞台に 6 日間にわたって行われたツール・ド・フローレ スは、7 月 19 日に閉幕。この日行われた最終の第 6 ステージでは、個人総合上位の 4 選 手が終盤に先頭グループを形成。最後はスプリント勝負となり、個人総合首位のリーダー ジャージを着用して臨んだトマ・ルバが貫録のステージ優勝。個人総合優勝確定に花を添える快走となった。
フローレス島を東西に進んだ 6 日間。その最後を飾るのは、この島一番の都市であるラ ブハンバジョを目指す 120.2km。前半 2 カ所のカテゴリー山岳を越えると、中盤に長いダ ウンヒルが待ち受ける。しばしの平坦区間を経て、今大会最後の山岳が大きな砦として立 ちはだかる。頂上はフィニッシュまで 31km。その後下りと平坦とをこなし、フィニッシ ュを迎える。
KINAN Cycling Team は、第 4 ステージでトマが獲得したリーダージャージを守るべく、翌日からレースを完全にコントロール。メイン集団のペースを保ちつつ、勝負どころでトマを放つ作戦が奏功している。また、山本元喜も個人総合 6 位につけており、状況に応じてトマのアシストに回りつつ、自身の総合成績も視野に入れて走る。

チームロゴを貼り付けてご満悦のトマ・ルバ。しっかりチームをアピール

 

 

各賞ジャージの選手たちがスタートラインにそろう

 

 

そしてこの日も KINAN 勢がレースを掌握。まず、阿曽圭佑と中西健児を中心にメイン集団をコントロール。個人総合 2 位につけるアルヴィン・モアゼミ選手(イラン)擁するピシュガマンサイクリングチームもアシストを前方に送り込み、総合争いにおける危険性 のない選手の飛び出しを容認しつつ、距離をこなしていった。
やがて、今大会最後の勝負どころとなる、この日 3 つ目のカテゴリー山岳の上りへ。こ こまで順調にレースを運んできた KINAN Cycling Team は、ジャイ・クロフォードを温 存できていたことにより、この上りで重要な役割を任せられる状況となった。頂上まで残 り 4km 付近でモアゼミ選手がアタックするが、トマが冷静に対処。テンポで追い上げ、2km ほど行ったところでモアゼミ選手をキャッチ。さらに 2 人が加わり、先頭グループが形成 された。
その後方では、山本が単独で追走を開始。前の 4 人に追いつくことはできなかったが、 それまで脚を貯めてきたジャイが合流。他チームから 1 人が加わり、3 選手で第 2 グルー プを形成。主にジャイが牽引し、山本の個人総合順位のジャンプアップを狙った。
急峻な上りはもとより、テクニカルな下りや粗い舗装が目立ったこの日のコースだが、 大きなトラブルなく最終局面へと突入。快調に飛ばしたトマら先頭の 4 人は、そのままス テージ優勝争いへと移った。
ライバルとのタイム差から、無理をせずとも個人総合優勝の座は固くなったトマだった が、最後の最後で意地を見せる。残り約 200m から始まったスプリント勝負でグングンと 加速。タイヤ 1 つ分ほどの差をつけて、ステージ優勝を勝ち取った。

4 選手によるスプリントフィニッシュ。リーダージャージのトマ・ルバが加速

 

 

トマ・ルバがバイクを投げ出す。わずかな差で勝利

 

 

今年のこの大会で最も強い選手であったことを、その走りで証明したトマ。しばらくし て、第 2 グループをキープしてフィニッシュへとやってきた山本、ジャイとも喜びを分か ち合った。さらに、アシストとして役割をまっとうした阿曽、中西もしっかりと完走。ト マの勝利に大きく貢献した。
この結果、トマの個人総合優勝に加えて、この日ステージ 5 位に入った山本が総合順位 を 1 つ挙げて 5 位に。さらにジャイも 10 位となり、3 選手が UCI ポイントを獲得した。 加えて、各ステージのチーム内上位 3 選手のタイム合算で争われるチーム総合でも KINAN Cycling Team が 1 位を獲得。最終の第 6 ステージでも 3 選手が上位でフィニッ シュし、チーム力の高さを見せつけた。
今大会のKINAN Cycling Teamは、第1ステージでの山本のステージ3位に始まり、 阿曽が大会中盤に山岳賞ジャージを着用、そして後半戦でトマが個人総合首位となってか らは、チームとして盤石の態勢でレースを展開。決して簡単なレースではない中で、改め て強さを発揮。2017 年シーズン後半戦を見据えていくうえで、今後に勢いをつける最高 の結果を残した。

 

 

ツール・ド・フローレス第 6 ステージ(120.2km)結果
1 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 3 時間 23 分 15 秒
2 マルセロ・フェリペ(フィリピン、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ) +0 秒
3 アルヴィン・モアゼミ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) +0 秒
4 ダニエル・ホワイトハウス(イギリス、CCN サイクリングチーム) +0 秒
5 山本元喜(KINAN Cycling Team) +2 分 34 秒
6 ジェシー・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ) +2分35秒
7 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +2 分 37 秒
40 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +12 分 39 秒
56 中西健児(KINAN Cycling Team) +21 分 25 秒
●個人総合時間賞
1 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 19 時間 38 分 21 秒
2 アルヴィン・モアゼミ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) +4 分 59 秒
3 マルセロ・フェリペ(フィリピン、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ) +8 分11秒
4 ムハンマイマム・アルフィン(インドネシア、KFCサイクリングチーム)+10分14 秒
5 山本元喜(KINAN Cycling Team) +13 分 1 秒
6 ダニエル・ホワイトハウス(イギリス、CCN サイクリングチーム) +13 分 14 秒
10 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +18 分 4 秒
26 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +44 分 45 秒
43 中西健児(KINAN Cycling Team) +1 時間 6 分 10 秒
●スプリント賞
1 チョ・ヒョンミン(韓国、グムサンインサム・チェロ) 21pts
4 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) 7pts
●山岳賞
1 エドガー・ノハレス(スペイン、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ) 44pts
4 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 18pts
5 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) 18pts
19 山本元喜(KINAN Cycling Team) 2pts
21 中西健児(KINAN Cycling Team) 2pts
●チーム総合時間賞
1 KINAN Cycling Team 59時間25分55秒

 

 

■選手コメント
ジャイ・クロフォード
「ツール・ド・フローレスは本当に美しいレースだね! トマが勝てて本当にうれしく思う。2 月のツール・ド・フィリピンから一緒にレースをしてきた仲だし、この大会で勝てたことが何よりもうれしい。これまでの仕事が報われた瞬間だ。チームワークも素晴らしかったし、個人的には KINAN Cycling Team 史上最高のレースだったとも感じている。 その中に将来有望な日本人ライダーが含まれていることは喜ばしいことだ。
個人的には、オーストラリアが冬であることも関係してベストコンディションとは言えなかった。第 4 ステージで苦しんだ原因にもなったのだけれど、昨日、今日と調子を戻せたのはよかった。トマの個人総合優勝、(山本)元喜の個人総合 5 位、そして自身の個人総合 10 位と、結果に結びつけられて満足している。
この後はひとまず休もうと思う。トレーニングを継続してきたこともあり、やはり疲れは感じている。1 週間ほど休んで、トレーニングを再開したらまたよいコンディションでレースに戻れると思う」

トマ・ルバがチームメートの勝利を報告。ジャイ・クロフォードとがっちり握手

 

 

山本元喜
「6 月の全日本選手権にピークを持っていったにもかかわらず上手くいかず、そこから気 持ちを切り替えて、自分が勝てる方法やよい結果に結びつける走りを考えながらこの大会を迎えた。トマの個人総合を守ると同時に、自分がチーム 2 番手の位置づけで走ることができ、その意味では勉強になった 6 日間だった。
今までは集団を引く仕事や、逃げのチェックといった役割を担うことが多かったので、今回のように自分の成績を意識して走る機会になったことは、素晴らしい経験だった。上りの調子がよかったことも結果につながっている。
外国人選手だけではなく、日本人選手の中でもエースを任されるだけの可能性を示すことができたのはよかった。そうした部分を阿曽や中西と共有できたことも、今後につながると思う」

トマ・ルバと山本元喜が健闘を称え合う

 

 

ホテルスタッフとのセルフィーに応じる山本元喜

 

 

阿曽圭佑
「日本国内でトレーニングを続けてきて、ようやく迎えた今シーズン最初の UCI アジア ツアーだったので、正直どれだけ走れるかは分からなかった。その一方で、やるべきことはやってきたという自信をもって臨むことができでいた。毎ステージ、オーダー通りの走りができたし、第 2、第 3 ステージで山岳賞ジャージを着られたことにもつながった。
あくまでもトマの個人総合が最重要ではあったが、ステージでも 1 勝し、チーム総合も獲れたという意味では、完全勝利と言ってもよいくらい完璧なレースができたと思う。個人的にも最後まで調子がよく、与えられた仕事もこなせたので、これまでで一番よい内容になったのではないか。
この勝利は、みんなが調子よく大会に入ることができたからこそ。誰か 1 人が調子を崩したり、リタイアしているようだと違った結果になっていたかもしれない。大会途中で山岳賞首位に立てたことも、みんなのおかげだと思っている」

アシストで貢献した阿曽圭佑がトマ・ルバの勝利を知り抱きつく

 

 

中西健児
「(第 4 ステージでの)逃げがトマの個人総合優勝へとつながってよかった。やるべき仕 事もでき、今後に向けたアピールとなるよい走りができたと思う。引き続き、逃げやアシ ストでチームに貢献できるよう、また大きなレースでメンバー入りができるよう取り組んでいきたい」

スタート前にアスリチューンをチャージする中西健児

フィニッシュした中西健児がトマ・ルバと握手

 

 

トマ・ルバ
「毎日ハードなレースが続いた中で、チームが誇るクライマーをそろえてこれだけの戦いができた。個人的には、第 1 ステージでパンクもあって約 3 分の遅れとなったが、総合成績についてはステップ・バイ・ステップのつもりで日々のステージをこなしていった。最終的に勝利ができたし、ステージ勝利も得られて本当にパーフェクトだ。
自分だけではなく、2 人、3 人と個人総合を狙って走ることができる状況を作り出したのも完璧だったし、よりレースを作りやすくしたとも感じている」

トマ・ルバがステージ優勝と個人総合優勝を決め、森川健一郎マッサーと抱き合う

 

 

地元メディアのインタビューに応じるトマ・ルバ

 

 

写真紹介

ホテル出発前の中西健児。最終ステージを前に笑顔

リーダージャージにチームロゴステッカーを貼り付ける

森川健一郎マッサーがレースで使用するボトルを準備

レースを終えて一息。6 日間の苦労が報われた瞬間

ステージ表彰。シャンパンファイトで盛り上がる

チーム総合の表彰でもシャンパンファイトが行われた

 

 

text&photo:Syunsuke FUKUMITSU

 

 

公式ウェブサイト
http://tourdeflores.id/

 

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