ツール・ド・モルッカ 第4ステージ
キナンサイクリングチームレースレポート

椿大志が会心の逃げ切り勝利
ツール・ド・モルッカ第 3・第 4 ステージと連勝

会心の逃げ切りを決めた椿大志
21st September 2017
●ツール・ド・モルッカ第 4 ステージ マソヒ(Masohi)~ワイピリ(Waipirit) 141.5km
● KINAN Cycling Team 出場選手
ジャイ・クロフォード
椿大志
阿曽圭佑
リカルド・ガルシア
トマ・ルバ
KINAN Cycling Team が出場しているツール・ド・モルッカ(Tour de Molvccas)は、9 月 21 日に第 4 ステージを実施。序盤の逃げに入った椿大志が終盤にアタックを決め、自 身 UCI レース初優勝となる独走勝利を挙げた。そのほか、リカルド・ガルシアの山岳賞、 チーム総合での首位も守っている。
18 日に始まった大会は後半戦に突入。第 4 ステージは、中盤に 4 級山岳が控えるほか はおおむね平坦基調。とはいえ、ところどころで細かなアップダウンがあるなど、決してイージーとは言い切れないレイアウト。力のある選手やチームがどう動くかが焦点となっ た。

この日もスタート地点には多くの人々が集まった

 

 

 

4 賞ジャージがスタートラインに並ぶ。右端は山岳賞首位のリカルド・ガルシア
KINAN Cycling Team はここまで同様、個人総合 2 位につけるジャイ・クロフォード のリーダージャージ獲得を意識しつつ、逃げにも選手を送り込めるよう序盤の動きをポイントに置いた。そして、その狙い通りに椿が前方でレースを展開することになった。
逃げが決まったのは、スタートから約 30km 進んだ地点。5 人ほどが先行したタイミングで、それを追った椿が合流。さらに追随した選手たちも含め、13 人と大人数の逃げグループが形成された。

序盤に形成された逃げグループに加わった椿大志
メイン集団は、リーダージャージを着用するマーカス・クレイ選手(オーストラリア) 擁するセントジョージコンチネンタルと KINAN 勢が主にコントロール。一方で、KINANとセントジョージともに逃げグループに選手を送り込んでいることもあり、一緒に先行する他チームの選手たちの総合ジャンプアップは許さないよう、適度なタイム差で進行。前を走る椿も後続とのタイム差を見ながら先頭交代のローテーションに加わった。

メイン集団前方で隊列を組んで進む KINAN 勢
約 6 分差となったのを境に、逃げとメイン集団との差は少しずつ縮まり始める。KINAN からは阿曽圭佑、トマ・ルバ、さらにリカルドが集団のコントロールに加わるが、椿たちに逃げ切りの可能性があることから、一気にタイム差を詰めることはしない。
やがてタイム差は 1 分を切ったが、残り 15km を切ったあたりから椿たちが逃げ切りに 賭けてペースアップ。椿は上りでアタックしてメンバーの絞り込みを図るが、10 人を超える人数に変化は起きず。それでも、メイン集団との差を広げることに成功し、逃げ切りが濃厚な状況を作り出した。
ステージ優勝をかけた勝負は、残り 5km となったところから活性化。他選手のアタックに一瞬反応が遅れた椿だったが、落ち着いて対処。残り 3km を切ったところでブリッジを決めて追いつくと、追ってきた選手もろとも振り切る渾身のアタック。
かつては個人タイムトライアルで 23 歳以下の日本チャンピオンに輝くなど、独走力に長ける椿。後続の追い上げにあいながらも、自慢のスピードでライバルの望みを断ち切った。フィニッシュへと向かう長い直線に先頭で現れると、残り 100m で勝利を確信しガッツポーズ。後方では着順争いのスプリントが始まっていたが、最後は余裕をもってフィニッシュラインを通過。会心の逃げ切りとなった。

トップで最後の直線へとやってきた椿大志。残り 100m で勝利を確信

 

 

会心の逃げ切りを決めた椿大志
今年KINAN Cycling Team入りした椿にとっては、キャリア初のUCIレース勝利。また、KINAN Cycling Teamにとっても、発足3年目にして初めて日本人選手でのUCIレース制覇となった。
これにより、KINAN Cycling Teamは前日の第3ステージでのリカルドの勝利に続く2 連勝。初開催の大会にあって、KINAN 勢の好調ぶりがひときわ目立っている。

ステージ上位 3 選手の表彰

 

 

 

リカルド・ガルシアは山岳賞ジャージをキープ
なお、メイン集団は椿から 46 秒差でこのステージを終えている。総合上位陣や各賞に大きな変動は起きず、KINANではジャイが個人総合2位、トマが同4位、リカルドが同10 位と続く。リカルドの山岳賞、チーム総合での首位も安定してキープしている。
インドネシア・モルッカ諸島を舞台に行われてきた大会も、残すところ 1 ステージ。最終日は、4 日間を駆けたセラム島を後にし、南隣のアンボン島での第 5 ステージ。スタート後しばらくしてアンボン市内へと入り、市街地の周回コースをめぐる 82.9km で争われる。
ツール・ド・モルッカ第 4 ステージ(141.5km)結果
1 椿大志(KINAN Cycling Team) 3 時間 21 分 9 秒
2 ジャマリディン・ノヴァルディアント(インドネシア、PGN サイクリングチーム) +3 秒
3 モハマド・アブディルハリル(マレーシア、チーム サプラサイクリング) +3 秒
4 アブディル・ガニ(インドネシア、KFC サイクリングチーム) +3 秒
5 チャ・ドンヒョン(韓国、LX サイクリングチーム) +3 秒
6 ムハマド・モハドザリフ(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム) +3 秒
25 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +46 秒
30 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +46 秒
42 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +46 秒
51 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +2 分 56 秒
個人総合時間賞
1 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) 13 時間 23 分 59 秒
2 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +5 秒
3 ジェシー・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ)+9秒
4 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +6 分 21 秒
5 ジャマル・ヒバトゥラー(インドネシア、KFC サイクリングチーム) +6 分 43 秒
6 アイマン・カヤディ(インドネシア、チーム サプラサイクリング) +6 分 44 秒
10 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +8 分 22 秒
27 椿大志(KINAN Cycling Team) +9 分 56 秒
38 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +12 分 55 秒
ポイント賞
1 アクマイ・ハキーム・ザカリア(マレーシア、チーム サプラサイクリング) 37 pts
2 椿大志(KINAN Cycling Team) 20 pts
6 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 16 pts
7 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) 15 pts
14 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 9 pts
山岳賞
1 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 10 pts
2 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 7 pts
6 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) 2 pts
チーム総合
1 KINAN Cycling Team 40時間26分25秒
●選手コメント
椿大志
「KINAN の一員として、そして UCI レースでの初勝利に、うれしいと同時にホッとしている。最後のアタックを決めたのはラスト 3km を過ぎてから。先にアタックした選手めがけてブリッジを仕掛けて、追いつきざまにチェックされないくらいのペースに上げて独走に持ち込んだ。それでも後ろが追ってきているのが分かって、気持ちで負けたら終わりだと思って前だけを見て走った」

チームメートと勝利の喜びを分かち合う

 

 

 

~写真紹介~

椿大志が他の逃げメンバーとともに登坂区間に入る

 

淡々と上りをこなす阿曽圭佑

 

チームカーへと下がって戦況を確認する椿大志。レース中何度も雨が強まった

 

 

会心の逃げ切りを決めた椿大志

メイン集団でフィニッシュしたチームメートが椿の勝利を知り、次々と駆け寄った

 

チームカーに乗る石田哲也監督とがっちり握手

 

愛用のプロキダイ「ハートレートセンサーパッド」も勝利に大きく貢献

 

 

ポディウムに上がった椿大志。壇上からの景色をスマートフォンに収める

 

 

 

 

 

text&photo:Syunsuke FUKUMITSU

 

 

 

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