ツール・ド・モルッカ 第5ステージ
キナンサイクリングチームレースレポート

椿大志が圧巻のツール・ド・モルッカステージ 2 連勝
ジャイの総合 2 位、その他 3 賞獲得でチーム力をアピール

ステージ上位 3 選手の表彰

 

個人総合ではジャイ・クロフォードが 2 位。第 1 ステージからの順位を守った

 

チーム総合では KINAN Cycling Team が 1 位となり、5 人全員でポディウムへ

山岳賞はリカルド・ガルシアが獲得。トマ・ルバも 3 位となった

 

 

最終日での逆転ポイント賞獲得となった椿大志
22nd September 2017
●ツール・ド・モルッカ第 5 ステージ ナマラツ(Namalatu)~アンボン市街地周回(Ambon Loop) 82.9km
● KINAN Cycling Team 出場選手
ジャイ・クロフォード
椿大志
阿曽圭佑
リカルド・ガルシア
トマ・ルバ

メイン集団でフィニッシュしたチームメートも椿大志の勝利を祝福。5 人そろって記念撮 影
9 月 18 日から 5 日間の日程で行われたツール・ド・モルッカが閉幕。最終日の 22 日は 第 5 ステージを行い、椿大志が第 4 ステージに続くステージ 2 連勝。前日は独走での勝利 だったが、今度は少人数でのスプリントを制した。これにより KINAN Cycling Team は 第 3 ステージのリカルド・ガルシアから 3 連勝。個人総合ではジャイ・クロフォードが 2 位となったほか、山岳賞ではリカルド、スプリント賞は土壇場での逆転で椿が獲得。チー ム総合も制し、大会を通して高いチーム力を示す結果となった。
KINAN Cycling Teamにとって、日本人選手によるUCIレース初勝利から一夜明け、 大会の最終日もアグレッシブに攻めることを確認。第 1 ステージから個人総合 2 位に位置 するジャイの逆転総合優勝を狙って選手たちがスタートラインについた。

山岳賞ジャージを着てスタートラインについたリカルド・ガルシア
このステージは 82.9km と短いうえにおおむね平坦基調ながら、4 級山岳に加え、レー スが行われているアンボン島のシンボルである大型ケーブル橋「ジェンバタン・メラー・ プティ」のアップダウンが前半に控える。実際に、この 2 カ所で逃げグループが決まった。
まず、4 級山岳の上りで椿を含む数人が前方をうかがうと、ジェンバタン・メラー・プ ティでトマが加わりペースアップ。今大会では再三にわたり登坂力の違いを見せつけてき たトマの走りが生き、8 人がレースを先行。KINAN 勢ではジャイ、リカルド、阿曽圭佑 がメイン集団に待機した。

阿曽圭佑がメイン集団の先頭に出る

 

コース左右を観客が埋め尽くす
メイン集団では、個人総合首位のマーカス・クレイ選手(オーストラリア)擁するセン トジョージコンチネンタルがコントロールを担うが、力のある選手がそろった逃げグループの勢いが勝る。距離を追うごとにその差は広がっていき、アンボン市街地に入る頃には 3 分以上のリードを築いた。
約 6km を 7 周回するアンボン市街地の周回コース。直線が長く、時折テクニカルなコ ーナーもあるレイアウト。大観衆の中を 5 日間戦い抜いた選手たちが凱旋の時を迎える。 快調な逃げグループの一方で、メイン集団はセントジョージコンチネンタルのアシスト陣 が力尽き、スプリントに賭けたい地元インドネシアやマレーシアのチームが前方へ。ペー スアップを図るが、前を行く 8 人には追いつきそうにない。終盤に入って逃げ切りが濃厚 な情勢となった。
ステージ優勝を目指す先頭の 8 人にあって、トマの牽引力がひときわ光る。長い時間先 頭を引き続け、ライバルたちの消耗を誘った。また、椿は周回コースに設けられた 2 度の 中間スプリントをそれぞれ 3 位と 2 位で通過。フィニッシュでの着順次第では逆転でのポ イント賞獲得も見えてきた。

トマ・ルバ、椿大志が入る逃げグループがアンボン市街地の周回コースへ

 

 

個人総合で上位がかかるジャイ・クロフォードを守って進む KINAN 勢 3 選手。左からリ カルド・ガルシア、阿曽圭佑、ジャイ・クロフォード
そしてレースは最終周回へ。2 人を逃げに送り数的優位を作り出した KINAN 勢。トマ が主に前へ出て、椿とともに仕掛けどころを探る。8 人が見合ったまま、残り 1km を切る。

椿大志を先頭に逃げグループは最終周回へ
そして決定的な瞬間はラスト 200m でやってきた。スプリントを意識して牽制を繰り返 すライバルを横目に、椿が渾身のアタック。ライバルたちが対応に躊躇したことも幸いし、 あっという間に差が広がった。最終コーナーを抜けると残り 100m。椿がトップを守った ままフィニッシュ前へとやってきた。後方ではようやくスプリントを開始、椿に迫る。

最終コーナーを抜けると残り 100m。椿大志が先頭でやってきた

 

 

それでも最後まで勢いが衰えなかった椿は、後続の追い上げをかわしてトップでフィニ ッシュラインを通過。前日は独走での逃げ切り勝利だったが、今回は小集団でのスプリン ト勝負をものにしてのステージ優勝。

残り数十メートル。後方ではトマ・ルバが椿大志の勝利を確信しガッツポーズ

 

小集団スプリントを制した椿大志。前日の第 4 ステージに続く圧巻の 2 連勝

 

 

2 日連続の勝利の雄たけび

 

 

今回の逃げグループにスプリント力のある選手が多 くそろっていたが、それを勝負強さで上回ってみせた。
これで椿はステージ 2 連勝。KINAN Cycling Team にとっては今大会ステージ 3 連勝 となった。また、椿の勝利をアシストしたトマは 7 位、他 3 選手が控えたメイン集団は結 果的に椿から 1 分 59 秒差でフィニッシュした。

絶妙なコンビネーションを見せた椿大志とトマ・ルバが健闘を称え合う

 

 

 

全 5 ステージを終えて、ジャイが個人総合 2 位、トマが同 4 位を確定させたほか、リカルドが山岳賞、チーム総合 1 位も決めた。さらに、最終ステージを制した椿は 1 位フィニ ッシュによる大量のポイントを獲得。逆転でポイント賞を手にした。
タイトルの獲得に加え、ステージ 3 連勝など、初開催のツール・ド・モルッカで強さを
見せつけたKINAN Cycling Team。引き続きUCIアジアツアーを転戦し、結果を追い求 めていく。
KINAN Cycling Team の次戦は 9 月 27 ~ 30 日のツール・ド・バニュワンギ・イジェ ン(UCI アジアツアー 2.2)。インドネシアでの連戦となる。
ツール・ド・モルッカ第 5 ステージ(82.9km)結果
1 椿大志(KINAN Cycling Team) 1 時間 52 分 33 秒
2 モハド・マットアミン(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム) +0 秒
3 パク・サンホン(韓国、LX サイクリングチーム) +0 秒
4 イマム・ムー(インドネシア、KFC サイクリングチーム) +0 秒
5 ムハマド・アズマン(マレーシア、チーム サプラサイクリング) +0 秒
6 ルストム・リム(フィリピン、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ) +0 秒
7 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +2 秒
22 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +1 分 59 秒
39 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1 分 59 秒
46 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +1 分 59 秒
個人総合時間賞
1 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) 15 時間 18 分 31 秒
2 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +5 秒
3 ジェシー・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ)
+9秒
4 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +4 分 22 秒
5 パク・サンホン(韓国、LX サイクリングチーム) +6 分 20 秒
6 エドガー・ノハレス(スペイン、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ) +6 分 41 秒
12 椿大志(KINAN Cycling Team) +7 分 44 秒
16 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +8 分 22 秒
39 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +12 分 55 秒
ポイント賞
1 椿大志(KINAN Cycling Team) 40 pts
4 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 21 pts
12 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) 15 pts
18 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 9 pts
山岳賞
1 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 10 pts
3 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 7 pts
7 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) 2 pts
チーム総合
1 KINAN Cycling Team 46時間6分5秒
●選手コメント
椿大志
「仕掛けたのはラスト 200m。フィニッシュが迫っていても牽制が続いている状況だった ので、隙をついて思い切ってアタックした。スプリント力のある選手も逃げに入っていた ので、真っ向勝負すると分が悪い。これしかない、という勝ち方ができた。
第 4、第 5 ステージともに、消耗戦の中で勝負するという得意の展開に持ち込むことがで きたのが勝因だと感じている。ジャイの総合を最優先に走っていたので、自分に勝ちがめ ぐってきたのは本当にラッキーだった。今大会には各選手それぞれにチャンスが与えられ ていて、その中で自分がこれだけ走れるというものをアピールできたのはよかった」

出走サインを行う椿大志
~写真紹介~

出走サインのオープンを待つ選手たち

 

阿曽圭佑は KT テープを貼ってコンディショニングを整える

 

 

アンボン島のシンボル「ジェンバタン・メラー・プティ」を渡るプロトン

 

 

 

「ジェンバタン・メラー・プティ」の上りをこなす阿曽圭佑

 

「ジェンバタン・メラー・プティ」でトマ・ルバが先頭に立った

 

 

8 人の逃げグループにトマ・ルバが入る

 

 

リカルド・ガルシアを前に隊列を組んで進む KINAN 勢

 

リカルド・ガルシア、阿曽圭佑、ジャイ・クロフォードの順で隊列を組む

 

 

初開催のツール・ド・モルッカで確かなチーム力を示した KINAN Cycling Team。次戦 は同じインドネシアでツール・ド・バニュワンギ・イジェンに臨む
次回チーム活動
●レース
9月27~30日 ツール・ド・バニュワンギ・イジェン(インドネシア、UCIアジアツア ー 2.2)

 

 

 text&photo:Syunsuke FUKUMITSU

 

 

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