シクロクロス全日本選手権 KINAN Cycling Teamレポート

大雪のシクロクロス全日本選手権に挑んだ雨乞竜己は33
序盤からトライを重ねてさらなる可能性を実感

©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 

 

シクロクロスの日本チャンピオンを決める全日本選手権が12月9日、滋賀県高島市・マキノ高原スキー場を舞台に開催された。前夜から降り続いた大雪の中で行われたビッグレースに、KINAN Cycling Teamから雨乞竜己が出場。60分間で争われた男子エリートに臨み、33位でフィニッシュ。一時はトップ10圏内が見える位置を走行するなど、さらなる可能性と今後に向けた課題を得たレースになった。

 

24回目となったシクロクロス全日本。マキノ高原での開催は3度目。毎シーズン数大会開催され、シクロクロスではおなじみの場所だ。スキー場の緩斜面を生かしたコースは、キャンバー(斜面を横または斜めに走行する区間)が周回前半に3カ所控えるほかは、おおむね芝のアップダウンのみ。スピードとパワーが要求されるのが慣例だが、今回ばかりは事情が大きく異なる。それは、前夜から降り続いた雪の影響によるもの。

 

日本各地を襲った寒気により、滋賀県でも初雪を観測。マキノも例外ではなく、降ったり止んだりを繰り返しながら、コース上に雪が積もっていく。深い雪によってバイクが思うように前へ進まず、いずれのカテゴリーも周回のほとんどでバイクを降りてランでこなす選手や、ストレート区間でありながら地面にタイヤを取られて落車する選手などが多数見られた。

 

60分を基準に争われる男子エリートに臨む雨乞は、このシクロクロスシーズンは6戦して1勝。前週の東海シクロクロス「IRC CUP」で勝ち、よい流れで今大会を迎えた。各地の大会で得たポイントによるランキングでスターティンググリッドが決まるため、出場選手中ランク下位の雨乞は後方からのスタート。だが、コースコンディション的に序盤の位置取りがレース展開に大きく影響すると判断し、スタートダッシュでどこまでポジションアップができるかを重視して戦いに挑んだ。

 

その狙い通り、好ダッシュでスタート直後に約50選手を一気にパス。混戦の序盤ではランを多用し、ポジションを上げていく。1周回目の前半で15番手付近まで上がり、トップ10圏内が見える位置を走行。ジャンプアップのチャンスをうかがいながらレースを進めていく。

©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 

 

しかし、序盤での攻めが響き、2周回目以降は徐々に失速。中盤までは20位台で粘ったものの、少しずつ番手を下げていき、前を行く選手たちとの差も広がっていく一方。パック(集団)を形成して数選手とともに前方をうかがいたいところだったが、単独走になる局面が増え、レース後半はトラブルや順位を落とさないことを意識して走る格好となった。

 

トップを走る選手の第1周回ラップによってレース周回数が決定され、今回は5周回で争われた。雨乞は1位の選手から8分43秒後、33位でフィニッシュ。後方グリッドからのスタートというハンデこそあったものの、国内上位進出は次回へお預けとなった。

 

一方で、レース前の狙い通りスタートダッシュで前方へアプローチし、上位が見えるポジションで戦いを進めるなど、攻めの走りで得た収穫も大きかったよう。コンスタントに結果を残していく重要性を確認し、今後のレースに反映させていく姿勢だ。

 

冬の熱戦であるシクロクロスは、まさにこれからがハイシーズン。引き続き各所でシリーズ戦が開催され、雨乞も次戦へ向けて調整を進めていくことになる。

 

 

シクロクロス全日本選手権 男子エリート(60分、0.1+2.8km×5Laps)結果

1 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム) 50分29秒

2 横山航太(シマノレーシング) +16秒

3 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム) +36秒

4 沢田時(チームブリヂストンサイクリング) +41秒

5 竹之内悠(Toyo Frame) +1分2秒

6 丸山厚(チームリドレー) +1分10秒

33 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +8分43秒

 

 

Voice from the Finish Line

 雨乞竜己

©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 

 

「雪がコースを覆う状況を目にして、ランを多用せざるを得ないと感じていた。ランは苦手だが、もともと開き直ってやるしかない立場だったので、細かいことは考えずにレースに臨んだ。スタート直後の第1コーナーからランで入って、一気に前へ出ることができたが、その後脚にきてしまった。

全日本クラスのレースでも、スタート位置次第で落ち着いてレースができることは実感している。そのためには、ホームの東海シクロクロスなどの地方シリーズで継続してポイントを獲得していく必要がある。今後は順位やポイントの取りこぼしをなくして、全国レベルのレースへつなげていくことをテーマにしていきたい」

 

 

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