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連載コラム

連載 自転車徒然草

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第33回「公共レンタサイクルで、金沢を走ってみた」


金沢駅から近江町市場へ

金沢駅東口にある「鼓門」を背にして、道なりに8分ほど走ると武蔵ヶ辻交差点に出る。この交差点の角にあるのが、金沢市民の台所「近江町市場」である。市場内には170あまりの店が立ち並び、鮮魚、青果、精肉、乾物や漬け物など、新鮮で美味しいものがいっぱい揃っている!


活きのいい魚介がズラリ!活気あふれる近江町市場

近江町市場内の道は車両進入禁止なので、まず自転車をポートに返却したい。
武蔵ヶ辻交差点を市場に沿って右に進み、1本目の道を左に曲がってしばらく行くと、駐輪場の一角に「十間町ポート」がある。自転車の返却は、駐輪機器に前輪をカチャッと入れるだけ。ランプが赤から青に変わったら返却完了である。市場をぶらり散策、お昼時なら寿司屋で北陸を代表する魚のひとつ「のど黒」を味わうのもいいかもしれない。



近江町市場から、ひがし茶屋街へ

「近江町市場」から、次は「ひがし茶屋街」に向かうことにした。
まず、十間町ポートを出て左方向に進み、博労町南の交差点を左折。しばらく走ると大通りに出るが、大通りを超えて1本裏通りの道で右折してみた。交通量も少なく、古民家が並ぶ金沢らしい風景の中をのんびり走ることができた。
やがて橋場交差点そばの大通りにぶつかったら左に曲がり、浅野川大橋を渡る。
十間町ポートから約6分。「東山ポート」は、橋を渡り終えた反対車線側の交番横にある。


今でもキムスコ(木虫籠)と呼ばれる美しい出格子がある「ひがし茶屋街」


東山のサイクルポートから細い道を抜けて歩いて行くと、風情ある街並みが現れる。加賀百万石の城下町として昔から栄えてきた金沢は、第二次世界大戦で空襲を受けなかったことから、当時の古い建物や町並みが多く残っている。「ひがし茶屋街」は、金沢に残っている3つの茶屋街(ひがし茶屋街、主計町茶屋街、にし茶屋街)の中でももっとも規模が大きい茶屋街だそうだ。



日本三名園のひとつ、兼六園へ

浅野川大橋を戻って、道なりに直進。次は「兼六園」「金山城公園」に向かうことにした。
ひがし茶屋街から約5分ほどで兼六園下の交差点に出る。ここから「兼六園」と「金沢城公園」へ続く道は、上り坂になる。紺屋坂と呼ばれるこの坂は、距離にして約100m。短いけど思いのほか急な坂道だった。3段変速の自転車のギアを一番軽くしたものの、途中で押して歩くことになった。


兼六園下交差点から坂を上ると「兼六園」「金沢城公園」

「兼六園ポート」は、7つある兼六園の入口のうち「桜ヶ岡口」という入口のすぐそばにある。例えば、この「兼六園ポート」で自転車を返却し、「桜ヶ岡口」から兼六園に入る。園内を見学しながら兼六園を通り抜け、「真弓坂口」から出て、金沢21世紀美術館横の「坂口ポート」で自転車を借りるというのもいいかもしれない。



金沢21世紀美術館で、地サイダーを味わう

9月半ばだというのに、この三連休の金沢の最高気温は連日30℃超えだった。夏のような天候の中、自転車を走らせるのは少々つらい。「兼六園」から「金沢21世紀美術館」に向かう道は下り坂の小休止。木々の緑の中を、軽快に下るのが気持ちいい。兼六園から約5分ほどで、美術館に到着。快適なのはあっという間だ 。


古都・金沢で生まれた新しい文化の発信地「金沢21世紀美術館」

「金沢21世紀美術館」の横にある「広坂ポート」では、この三連休の間、「広坂・柿木畠days」と題したキャンペーンを開催。加盟店舗で使えるクーポン券がもれなく当たる大抽選会が実施されていた。また、石川県のご当地サイダーとして「しおサイダー」と「金沢湯涌サイダー柚子乙女」が売られていたので購入。暑さで渇いたのどを、地サイダーでスッキリ!とうるおした。



竹久夢二の美人画がラベルに使われている「金沢湯涌サイダー柚子乙女」

「金沢湯涌サイダー柚子乙女」は、竹久夢二が愛した金沢・湯涌温泉の天然水と柚子果汁、砂糖だけを使用して作られた金沢の地サイダー。柚子の香り豊で、すっきりとした甘さと爽やかな口当たりが美味しかった。



路地にも自転車走行指導帯

次にめざしすのは「長町武家屋敷跡」。金沢21世紀美術館から香林坊方面へ向かい、ファッションビル109の裏にある道を抜けて約5分ほど走ると、中央公民館長町館横の「長町ポート」に到着。この界隈は、藩政時代に加賀藩の上・中級武士が暮らしていたところである。細い路地や土塀、長屋門が往時を忍ばせ、風情ある雰囲気を感じさせられる。


石畳の小路が続く、長町武家屋敷跡界隈


長町武家屋敷跡の通りをひたすらまっすぐ進むと、約10分ほどでスタート地点の金沢駅につながる大通りに突き当たる。長町から金沢駅に戻る際、長町武家屋敷跡の東側にある、せせらぎ通り商店街を走ってみた。鞍月用水沿いにおしゃれなカフェや雑貨店などが立ち並ぶこの界隈は、道幅は狭いが、交通量はそこそこある。こうした城下町の名残をとどめる細い路地でも、自転車マークや矢印、白線などで自転車の走行位置がしっかり示されていた。



自転車は車道の左側通行が原則。「自転車走行指導帯」で自転車の走る位置を表示


全国でも珍しい自転車追い越し禁止の路面標示

自転車は左側通行と、自転車が本来走るべき位置を、自転車にもクルマにも歩行者にもわかるように路面に標示した「自転車走行指導帯」。こうした路面標示があるだけで、自転車が自然と左右にわかれて走るようになり、実際に逆走する自転車も少なくなったという。
歩行者、自転車、クルマそれぞれが安全に通行できるよう、自転車走行空間づくりをすすめる金沢の取り組みは、全国のお手本になりそうだ。

足早にだけど「まちのり」で金沢の街を実際に走ってみると、主要な観光スポットの近くに「まちのり」のサイクルポートがあり、ポート間の移動もすべて30分を超えることはなく、余裕を持って移動することができた。当初は、30分以内に返却というのは、ちょっと心配だったけど全然問題はなかった。しかも「まちのり」は、どこでも借りられ、どこでも返せる!この自由度がいいなと思えた。例えば突然の雨に降られたら、自転車を近くのサイクルポートに乗り捨てて、バスでの移動に変更するということもできるわけだ。その時々の状況に応じて、利用者が交通手段をかしこく選択していく。自転車を公共交通と組み合わせた都市交通のひとつとして考えると、そこには将来的な可能性や有用性があるように思えてくる。そういう意味では、公共交通としてレンタサイクルをいち早く導入した金沢の取り組みというのは先進的である。今後、全国でもこうしたコミュニティサイクルの導入が広がればいいのにね。



《お問い合わせ》 金沢レンタサイクル まちのり事務局
住所:〒920-0852 石川県金沢市此花町3-2(ライブ1)
フリーダイヤル:0120-3190-47
受付時間:9:00〜20:00 年中無休 
まちのりホームページ:http://www.machi-nori.jp

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